トラウマ

欧州の電気用品の規制で、どの年号の規格を使用するかは欧州官報で告知することになっています。ある時、その告知に誤りが多数。後日、修正となりましたが、それからその告知文がほとんどでなくなりました。失敗に懲りて発表を止めた感じです。まあ、怒らてトラウマになったのでしょ。でも欧州官報がでないと規格は古いまま。一方、欧州の規格制定部門はどんどん規格を更新して、移行期間も発表。すると欧州官報の基準と規格制定部門の基準が異なってしまいました。困るのはメーカです。どちらの規格を採用したらよいのかわかりません。さすが、チェックが厳しいドイツの機関が日本企業の輸出品に「欧州官報の規格と違う」とイチャモンをつけてきました。当然、日本メーカは二つの規格があることを説明しました。メーカの取りうる選択肢はだいたい二つ。一つは宣言文かなにかで古い規格と新しい規格の両方をこの製品は満足しているかを表明すること。もう一つは試験報告書を古いのと新しいのと二つ作ること。どっちにしろ合格なら問題はないだろうということです。どちらにしろ、規格の差異がある部分は試験を二つやることになるので試験の費用もかかりますし、合格したことを証明するレポートも二つ必要になるのでこれもコスト増なります。
日本の官報はその点、おそろしいくらい間違いがない。法律かなにかで100ページとなっても間違いがない。どんなチェックをしているのか不思議なほど。