
製品が出荷近くになると、多くの会社がやるのがコアのような対策部品を減らして製品価格を下げようとすること。それ、本当に大事ですか。
総合的にコストダウンを
コア等の対策部品は製品の原価を上昇させます。だから、製品が出荷間近又は製造後に対策部品を減らす対策をよくやります。確かにコアが50円だとしたら、それを1個減らせれば製造原価は50円下がります。でもそれに対応するために電波暗室を使用したら数十万円単位で直接的な費用が発生します。また対策にかかる人件費もかかる。設計図も変更、部品発注も変更。簡単に数百万円単位のコストがかかる。すると、その装置、何台作ったら元がとれるかを計算しなければならない。そちらの方がコストがかかるなら、そもそも対策をしないという選択の方がよい。技術系の会社はこういう計算が弱いことが多い。とにかく技術的にできることは全部やる。そのため、採算が悪くなる。製造原価は下がるが販管費が増大。営業利益率がガクンと下がってしまう。対策担当者も努力した結果が最終的には経営にマイナスだったらなにを努力したのかわからなくなる。
全てに責任をもつ担当者を任命
どこの会社も技術部は技術を営業部は営業をと分担しています。しかし、経常利益まで責任をもつ責任者が必要となります。儲かるか儲からないか、全ての責任をもつ担当者を任命。設計も製造も販売も全て責任をもたせる必要があります。但し、これをできる人材の養成には時間がかかります。でもやらないと、技術優位の会社は採算を無視して技術を追求するし、営業優位の会社は技術が伴わない製品になって競争力がないという結果になります。技術者だけどこの製品をいくらで売るかも決定させる。そういう担当者がいないと良い製品は生まれないと思います。
根本的な解決を
コストダウンを考えるときは、初心に戻って考えることが重要。デジタル回路で行っていた部分はアナログ回路や機械的な方法で解決できないかを考える。そうするとコストダウンの効果が桁違いに大きくなることがある。コアを削るより、そもそも機械的に動作させることができれば、電磁波ノイズは発生しない。そういう発想の転換が本当の意味でのコストダウンです。