こざとへんのある「附」とない「付」は実は微妙に違う。「附」はつくとかつけるという意味。「付」は授けるとか渡すという意味。法律の場合は本則に対して付け足す意味でほぼ「附則」となっている。附則は法律が有効になる施行期日だったり、罰則が改正された場合に新しい罰則が適用される期日などが書いてある。本則に劣らず重要なものだ。本則に付けくわえるものだから「附則」だ。だから「付則」というのはまずない。一部の地方の条例や規則のみにとどまっている。戦前はこの「附」と「付」を厳密に使い分けてきたが、戦後はあいまいになった。なお、どちらも常用漢字表に載っている。
日本国憲法をみると第37条第3項で「刑事被告人は、いかなる場合にも、資格を有する弁護人を依頼することができる。被告人が自らこれを依頼することができないときは、国でこれを附する。」と弁護人を「つける」という意味で「附」を使っている。第79条第2項で「最高裁判所の裁判官の任命は、その任命後初めて行はれる衆議院議員総選挙の際国民の審査に付し」とあるように審査手続きを与えるという意味で「付」を使っている。
このようにかつては二つの漢字は使い分けをされていたが、最近はこれがあいまいになり、ほぼどちらでも大丈夫になってきている。しかし、法律はあくまで「附則」というのはかわらない。長年の慣習だからだ。
技術関係ではあるが国に対する答申で技術系のものはよく「付則」となっているものがある。法律の歴史を知らないのは技術系はある面、致し方ないところがある。
