そのクライテリア間違ってませんか
CISPR 35では静電気試験でクライテリアBが要求されています。これは一時的な機能の喪失はOKということです。これは静電気の発生が一時的であることが理由です。太平洋側の冬は乾燥しますので、ドアノブに触るとビリッと静電気が発生して軽い痛みが発生します。こういう電気の現象も製品に影響します。但し、一度、静電気放電すると、次に接触するようなことがないので、めったに発生しません。そこで、この試験で一時的に機能が喪失しても自動復帰すれば問題ないという考えからでています。でも、それで本当によいのでしょうか?製品のおかれた立場で考えてみましょう。
装置として要求されること
家庭用機器ならば、おそらく問題ないでしょう。たとえばテレビなら一瞬画像が乱れても問題にされることはほとんどありません。視聴者も「あれ?ちょっとおかしかったかな?」と思っても、それから正常に視聴できれば故障だとは思わないでしょう。
でも産業機器で物を製造している装置なら、一瞬たりとも機能喪失は不良製品の発生になってしまいます。たまにニュースで交流電源が瞬間的に停止したのでラインが停まったと報道されることがあります。これが静電気で発生したら、ラインが停まることになります。半導体製造装置なら一瞬の機能停止はそのロットの全数不良にもなりかねない。
CISPR 35はマルチメディア機器なので、規格制定担当者はクライテリアBでよいよねと考えたのでしょう。またあまり厳しくすると家庭電気用品のように性能というよりコストが重視されるようなものに対して不必要に厳しくしてしまうという考えもあります。そこでクライテリアBと規格では要求し、最終的にメーカが判断する余地を残したといえます。